☆この記事は、2002年6月5日に米ユタ州ソルトレークシティーに住む少女が誘拐され、約9カ月間にわたって監禁された「エリザベススマート誘拐事件」について知りたい人におすすめです。
・事件の概要を知りたい
・犯人の名前や生い立ちを知りたい。
・犯人の前科や判決を知りたい。
他にも被害者女性のその後など気になることを簡単にまとめています。
エリザベススマート誘拐事件は、当時14歳だったエリザベススマートが、9歳の妹メリー・キャサリンと自宅で就寝中、何者かに脅され誘拐された事件。
犯人はモルモン教徒の家庭に育った49歳のブライアン・ミッチェルで、16歳のときに8歳の少女に対する犯罪を犯した前科のある男だったのです。
また、当時の犯人・ブライアンには妻がいました。
しかし、犯人のブライアンは妻がいるにもかかわらず、エリザベススマートを自宅から連れ出したあと、森の中で着替えさせ、結婚セレモニーを行っていたのです。
その後、誘拐されたエリザベススマートは、犯人と妻との共同生活を余儀なくされます。
一方、犯人のブライアンは、エリザベススマートが発見されるまでの9ヶ月間、別の少女の誘拐未遂を起こしていたのです。
そこでこの犯人の目的ですが、一夫多妻の宗教をつくろうとしてエリザベススマートを誘拐。
さらに洗脳までしていたのです。
そして、エリザベススマートが誘拐されてから9か月後、犯人のブライアンと妻・ワンダ・バーゼイが逮捕され、事件が解決したのです。
今回はこうした事件だったのですが、そもそも犯人逮捕の決め手になったのは何だったのか。
それはテレビ番組で、犯人の似顔絵が番組で取り上げられた際、見ていた犯人の妹から、「匿名でお願いしたんだけど。探している男を知っているわ。ブライアン・デイビッド・ミッチェルよ」と警察に通報があったのです。
ということで今回は、「エリザベススマート誘拐事件」の犯人のことや、発見され保護されたエリザベススマートのその後の詳細についてまとめてみました。
エリザベススマート誘拐事件の犯人
「エリザベススマート誘拐事件」当日の夜、姉のエリザベススマートと一緒に就寝していた妹・メリー・キャサリンは無事でしたが、横で犯行の一部始終を見ていました。
妹は犯人に脅され、恐怖のあまり動けなくなっていたため、両親に知らせたのはエリザベススマートが誘拐された3時間後だったといいます。
妹から「エリザベスが知らない男に連れ去られた」と告げられた両親は、すぐに警察に通報。
その後、警察が駆けつけ、犯行を目撃した妹に事情聴取を行ったのです。
その際、警察は犯人について「聞いたことがある声だったか?」と質問。
妹は「イエス」と答えたのですが、どこで聞いた声だったかは、思い出せなかったといいます。
そして、朝になり、警察はエリザベススマートが誘拐されたことをマスコミに発表。
父親はマスコミを通して、「娘を返して欲しい」と犯人に訴えたのですが、当初は「家族に容疑者がいる」「金銭問題を抱えていた」などと、マスコミが書き立てたといいます。
一方、警察はスマート家にかかわった人物をリストアップし、容疑者を割り出していきました。
すると、その中からリチャード・リシーという前科のある男が捜査線に浮上。
その後、リチャードは警察に逮捕され、容疑者として公表されることになるのですが、実は誤認逮捕だったのです。
誤認逮捕で捜査は振り出しに戻ることになったのですが、ちょうどそのころ、ソルトレイクシティでは「奇妙な3人組」の目撃情報が増えていたといいます。
さらに、犯人の声を思い出せなかった妹が、突然「スマート家が捜索の手伝いや雑用に雇った人間の中に声が犯人そっくりの男がいる」と発言。
妹は「以前スマート家に出入りしていた、自称宣教師の男が犯人だ」と訴えたのです。
両親はこのことを警察に話しましたが、5週間を過ぎてもとくに動く様子がなかったため、犯人の似顔絵をスケッチしてテレビ番組に出演。
すると番組を見た犯人の妹から通報があり、男の本名が判明。
ブライアン・ミッチェルは重要参考人として指名手配されたのでした。
そして、2003年3月12日、事件発生から9か月後のユタ州サンディに「不審な3人組がいる」と通報があり、無事エリザベススマートを発見、保護。
一緒に居たブライアンと妻・ワンダを逮捕したのです。
犯人は前科ありのモルモン教徒
「エリザベススマート誘拐事件」の犯人・ブライアンは、熱心なモルモン教徒の家庭で生まれ育ちました。
父親の性格は短気で、幼少期のブライアンは父親から虐待を受けていたといいます。
13歳になるとドラッグやアルコールにも手を出すようになり、一家の恥と目されるように。
(犯人・ブライアンと妻・ワンダの画像)
出典元:トカナ
そして高校1年のときに8歳の少女にいたずらをしているところを見つかり、少年院に収監。
16歳から逮捕の前科があったのです。
一方、妻のワンダは、幼少期から人見知りの性格で、母親にべったりの生活を送っていたといいます。
父親の方はというと、出張ばかりで家を留守がち。
また、ワンダはブライアンと結婚する前に20年連れ添った夫がいたのです。
ところが、人見知りの性格が治らなかったので、結婚後は夫に依存していたといいます。
そのことが原因で破局し、夫を失って精神的に不安定になったワンダは、やがてカウンセリングを受けるように。
ブライアンとはカウンセリングで出会ったといい、その18カ月後に2人は結婚。
そして結婚後の2人は、宗教・モルモン教徒にのめり込んだといいます。
ところが、夫のブライアンは、モルモン教の教えに満足できなくなり、ついに「自らを神から使わされた天使である」と言い始めたのだとか。
また、事件の数か月前には、複数の妻をめとることができる存在だと称し、あと7人の妻と結婚するという文章を書いていたといいます。
このことで男は地元の教会から除名され、その後に「エリザベススマート誘拐事件」を起こしたのです。
エリザベススマートと犯人のその後
逮捕された犯人のブライアン・ミッチェルと妻・ワンダ・バーゼイは、責任能力の有無をめぐり、精神鑑定が繰り返し行われました。
その結果、責任能力を有すると判断され、2009年の裁判で妻・ワンダに禁錮15年の判決。
夫・ブライアンは2011年に終身刑判決を受け、現在アリゾナ州ツーソンの刑務所に収監中です。
一方、誘拐された被害者・エリザベスのその後は、救出された後に年少者の性犯罪被害の撲滅運動を行い、学校生活を再開。
大学も卒業し、2009年にはモルモン教の宣教活動のためパリに滞在したのです。
その後も自身の悲劇と生還をまとめた本を執筆するほか、テレビなどに出演して監禁生活について語るなどしてきたエリザベスは、2012年にパリのモルモン教会で知り合ったスコットランド人と結婚。
2015年2月には長女、そして2017年に長男を出産し、現在は幸せな家庭を築き上げています。